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実況者が選ぶ好きな長年数学の未解決(もしくはだった)問題ランキングTOP5

序文

もはやこの記事に”実況者”の肩書の必要性のなさ自体を感じているのだが、そろそろチャンネルの視聴者及び読者に「カマタクって頭も良いんだ!」という印象を植え付けるために記事を書いている。とは言えども汚い魂胆とは裏腹に自分がかける数学への情熱はかなり熱いと思っている。なので今回の記事は「実況者の選ぶ好きな、長年数学の未解決(だった)問題ランキング」と題しまして執筆していこうと思う。またできるだけ興味のない人にも分かりやすくを心がけたいので屈強な数学オタクと数学者はいじめないでください。この一文は記事を書き終えたあと書いているのですが、分かりやすくなんて僕には無理でした。地獄を見ろ。

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そもそも未解決問題とは

未解決問題とは読んで字の如く、まだ解決されていない問題のことを指す。数学の有名所で言えばトリビアの泉でも紹介された「ミレニアム問題」ではないだろうか。

ミレニアム懸賞問題とは、アメリカクレイ数学研究所によって、2000年に発表された100万ドルの懸賞金がかけられている7つの問題のことである。そのうち1つは解決済み、6つは2022年の時点で未解決である。ミレニアム賞問題ミレニアム問題とも呼ばれる。(-Wikipediaより引用)

100万ドル、ようするに約1億円である。発表された当時はそれぞれの分野で重要な未解決問題の集まり。バトル漫画で言えば四天王の7人バージョンのようなものである。各々を説明していると時間がかかるので詳細は省く。因みにそのうちの一つは解決済み。

それでは早速行ってみよう!

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第5位 ナビエ-ストークス方程式(未解決)

Claude-Louis Navier.jpg SS-stokes.jpg

正確に言えば未解決なのは「ナビエストークス方程式の解の存在とその滑らかさ」である。ではナビエストークス方程式とは何なのかという人も居ると思うので解説しよう。

超ざっくり説明すると、ナビエストークス方程式は流体力学(流体の静止状態や運動状態について研究する分野)に関する方程式で有名なニュートン運動方程式(F=ma)を流体力学にしたバージョンである。なんか"いつか王子様が"をジャズピアニストがおしゃれな感じにするみたいなもんだ。なんだこの良く分からん例え。

ρ [ V t + ( V ) V ] = P + μ 2 v + ρ F

↑ちなみにナビエストークス方程式はこのような形で表される。=の左隣が絵文字みたいで可愛いと言われるのを聞いたことがある。感受性豊かで江戸時代から二次創作を行っている日本人なら、いつかナビエストークス方程式の擬人化キャラ"ナビスト君"でも作ったりするのだろうか。

さて、この方程式の何が未解決なのか。結論から言うと、「この方程式に初期条件(高校物理で例えると初期速度)を与えたときに滑らかな解(関数などにすると尖った部分がない状態)が存在するかの証明」である。うーん、難しい。

そしてこの方程式は実用化できればめちゃくちゃ便利で様々な技術も発展するだろう(多分天気予報の精度が異様に上がったりする)。ただし、むちゃくちゃ複雑で難しいので、これは方程式を簡単にするための証明である。ツムツムで例えたらシンデレラ(ツムツム最強キャラ)だ。使いこなせばめちゃくちゃ強いのに技術習得が異様に難しく複雑。

自分が初めてこの方程式の存在を知ったのは高校1年生の時だ。通っていた塾の先生の友人がナビエストークス方程式について研究している方で、塾の先生が「毎年お歳暮の時期になると本の送り合いをしている。相手はある分野の研究者で...」という話からはじまって盛り上がったのを覚えている。

この問題が好きな理由はそういった思い出や語感の良さ、未解決問題というかっこよさという中学生みたいな理由だ。

まとめ

第五位:ナビエストークス方程式の解の存在とその滑らかさ

状態:未解決

好きな理由:名前が良い,思い出補正,未解決というロマン

第4位 ソファー問題

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一家に一つしかないソファー、そんなソファーを陣取る権利があるのは毎日仕事で汗水たらし家庭を支えるために頑張っている父かそれとも名もなき家事に追い詰められ年中無休で働いている母かそれとも日本の将来、家族の将来を支えるため日々努力を重ねている子供か...

このソファー問題はそんなどこの家庭にもある問題を取り扱った問題ではない。馬鹿かお前。

ソファー問題とは「下のようなソファーがL字型の通路を通り抜けられるとして、面積は最大でいくらになるか」という問題である。

ソファ問題 - Wikipedia

(Wikipediaより引用)

どうだろう?さっきのナビエストーク方程式と比べると問題も理解しやすいし、解けるじゃん!と思う人が多そうだ。もちろんこれも未解決問題。簡単なように見せかけてがっつり殺しにくるのが数学の未解決問題あるあるだ。

この問題にも思い出がある。中学3年の頃の話だ...

カマタク小話第1話「僕と未解決問題と狂人と」

当時数学は2種類あり、ざっくり言うと「代数」「幾何」で別れてそれぞれ違う先生が教鞭を取っていた。幾何を教える先生は変わった先生、つまり狂人だ。ある日職員室の代数の先生に積分の質問をしにいった帰りだった。自分を呼び止める声に気づく。振り向くとそこには幾何の狂人が居た。彼は一言「こんな問題があるんだけど、積分習ったなら解いてみてよ」。手渡されたのは問題が書いた紙。しかしこのときまだ自分は気づいていなかったのだ。それは思考の沼への片道切符だということに。そうまさにその問題はソファー問題だった。解けるわけ無いだろ。諦めが悪い上にそもそも未解決問題としらない自分は1ヶ月ちょい悩んだが遂に分からず幾何の先生に尋ねに行った。そこで一言言われたのは「え!本当に考えてたんだ。それ未解決問題だよ。」と。誓ったのだ。彼を許さないと。時間とは無限であり有限だ。自分の人生という観点にのみ焦点を当てたとき時間は無限から有限へと変異する。ありきたりな話だが時は金なりだ。俺の時間は帰ってこないもう二度と。さようなら。

という思い出がある。なんだかんだ今となっては良い思い出なので気にしてない。

因みにその先生は高校でも奇行を続けた。こうして見事に印象に残る問題として発表されているのだから狂人も満足だろう。

まとめ

第四位:ソファー問題

状態:未解決

好きな理由:狂人と少年の物語

第三位 ポアンカレ予想(定理)

ここになってやっと解決済みの問題が出てきた。因みにこれは序文で紹介したミレニアム問題の中で唯一解決している問題である。証明したのはグレゴリー・ペレリマンという数学者で現在は消息不明。噂によると隠居生活を送っているらしい。ペレリマンの生き様もまたかっこよく面白いので気になった人は調べてみて欲しい。

まずは未解決問題というステージの高さを伝えるためにこの問題の問題文をそのまま紹介しよう。どうぞ。

単連結な三次元多様体は三次元球面 S3 に同相であることを証明しろ

単語として理解できるのが三次元と証明ぐらいしかないという人も少なくないのではなかろうか。自分もこの問題の主張をざっくり掴むのにすら時間がかかったし、ましてや人に分かりやすく伝えることは出来そうもない。単連結や多様体、同相の説明くらいはできるがどこがどう難しいのかを説明できない上、分かりやすくというのはやはり不可能なので今まで見た動画の中で一番わかりやすかった動画になすりつけることにする。

本当に分かりやすくてありがたい動画です。感謝しましょう。

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この問題が好きな理由は「宇宙の形が分かる」という規模の大きさ、そしてなにより定理の主張は自分でなんとなくだが掴めたという経験が大きいように感じる。

まとめ

第三位:ポアンカレ予想

状態:解決(ペレリマン)

好きな理由:規模の大きさ,問題の意図を掴もうという経験

第二位 ハッピーエンド問題

お察しの人も多いと思うがこの問題が好きなのはこの名前が占める部分が大きい。

さてさっそく本題に入ろう。問題の定義は以下の通りだ。

平面上に十分に多くの点がある。またどの3点も一直線上にない。このときN個の点を結べばその点を頂点としたN角形が必ず作れる

これの4,5,6角形のときは証明済みだが7以上のときが証明されていないのだ。

この問題は理解もしやすい上に名前のインパクトも大きく、それもあってか友人の中にも何人か知っている人が居るので話のネタにもなるのでこの順位とさせて貰った。

この名前の由来はこの問題の発表者が発表した際にその場に居た数学者と盛り上がりそれが原因となり結婚したことでこの名前がついたそう。

因みにだがこの記事を書いていると頭を使うからかとても疲れてきている。例えコーナーが減ったのは疲れのせいかも知れない。それでは最後に行ってみよう。

まとめ

第二位:ハッピーエンド問題

状態:一部未解決

好きな理由:分かりやすい,名前の衝撃,話のネタ

第一位 フェルマーの最終定理

360年間解けなかった「フェルマーの最終定理」を解いた男Andrew John Wiles(アンドリュー・ワイルズ) | by #Genius50 |  Medium

名前がかっこいい、解決までの流れがかっこいい、長年未解決、知名度とこんなに自分の好み、評価点を刺激する問題はない。上の写真は最終的にこの定理を証明しきったアンドリュー・ワイルズだ。フェルマーの最終定理

3以上の自然数nにおいてxn + yn = zn を満たすx,y,zの組み合わせは存在しない

というものである。先程のソファー問題でも触れたように問題の理解のしやすさで数学者を誘い込み、地獄を見せるのが未解決問題あるあるだ。この問題も1670年に発表されてから1995年の解決まで300年以上かかっている。この問題はアンドリュー・ワイルズが一人で証明したわけではない。どの問題もそうである可能性が高いがそれまでの数学者たちの発見や積み重ねを経て最後に偉大な数学者が証明したのである。ふつくしい。またこの問題の解決には日本人も一役買っている。谷山志村予想という志村五郎と谷村豊の二人によって発表された予想でこれを用いることでフェルマーの最終定理は完全に証明された。この流れと名前のかっこよさももちろん好きな理由だが、この定理の証明を一般向けに簡単に分かりやすく説明した論文がありそれを父親と共に読みすすめたという思い出がある(結局2/3くらいで挫折)

このような思い出補正もあり一位とさせて貰った。

まとめ

第一位:フェルマーの最終定理

状態:解決(ワイルズ)

好きな理由:名前,解決までのストーリー,思い出補正

終わり

やっと終わりに入れた。数学は好きだが記事にするとなるととても疲れる。記事にするに当たって再度調べた部分はまた勉強になったしヨシ!最後にいつもどおり曲を紹介して終わろう。疲れたしヒーリング効果のあるリスト作曲の「エステ荘の噴水」を紹介しよう。これは水を表現した曲の一つで後のドビュッシーの「水の反映」、ラヴェルの「水の戯れ」にも影響を与えたと言われている。なんか今回は最後まで真面目っぽい記事になってしまった...今後は気楽な記事にしたい!